『追憶と未来の交わる場所で』を書いたあとで、結衣子と先生のお話も書きたいなあと思っていたので、がーーーっと書きました。
麻に啼く/西条彩子
しょうもなく不純で、ただ限りなく純愛
本質はマゾヒストのミストレス・結衣子と、サディストの癖を有しながら妻の黙認のもと不貞を繰り返す緊縛師・仲秋。その受け手で情婦でもあった壷内しずる。彼女の引退をきっかけに、結衣子と仲秋の仲はタガが外れたように燃え盛る。
結衣子という女性はたぶんずっとどこか子どもで、瑛二という親鳥を視界のどこかにいつも据え、なんとか生きているひと。そのぶん手段がいつも極端だから、とても危うい。そんな部分が垣間見える作品に仕上がりました。
縛りの描写は、たぶん私史上最高の出来だと思います。着物がいろいろ描けたのも楽しかったです。でも一人称は苦手だなあとも感じました。少なくとも長編でやるのは難しい。
それでも、救いに思ってくれる誰かがいたらいいなと、おこがましくも願っております。
今回も、読後アンケートを実施しております。感想をくださいますとほんと歓喜します。
イメージソングはこちら。
King Gnu 三文小説
そばに居続けることができなかったどうしようもなさがほんとうにいとしく、どうにもできない未来をそれでも願ったかのような。
小説現代長編新人賞一次通過、二次落選。こういう話が書けたのはよかったけど、これじゃないよね、と思っていたところへこの結果だったので、安心して次へ進もうと思います。
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