公開から二か月ちょっと、たくさんの感想を賜り本当に光栄に思っております。ありがとうございます。どの感想も情熱がこもっていてとてもうれしいです。
ということで、お返事も兼ねつつ、中でも多く寄せられたり、印象的だったりしたものをピックアップしていきたいと思います。
・結衣子が初々しい
そうなのです。初々しいのです。少女、とまでいくかどうかですが、二十五歳。とにかく若い。勢いで生きている感じです。書くときも気をつけていたところだったので、こうおっしゃっていただけてとてもうれしかった。一人称を「わたし」にしたのも、しっくりきたからだったり。
・結衣子と真琴
真琴が結衣子を慕っている様子はシリーズ内で小出しにしていましたが、そうなのです。助けられた過去があったのです。『女王のレッスン』のメモ的プロットには、真琴の設定として『結衣子信者』とありました。我ながら雑……。
・妹狐が結衣子だと瑛二にバレるところが好き(その瑛二も若い)
私も好き!!! 理由全部言うあたり最高に青い!!!
結衣子は、瑛二だけに限らず『自分に対する好意の見積もり』がとことん甘いのですよね。自身が好意を向けた相手には特にそう。作者がアンサーを出してしまうのは野暮ではありますが、これも彼女のマゾヒズムが要因です。「愛して」「私を見て」と思いながら、いざそうされると臆し否定してしまう。根本的な自信がどこかなく、飢餓感が消えない大きな理由です。
にしても瑛二の人気よ……。
・縄を切る
いつかどこかで出したいと思っていたエピソードでした。
緊縛中には鋏が必須、というのは『女王のレッスン』を書いた時から訴え続けていることですが、具体的なシーンとなると出せずにいました。
麻に啼くを書いていた折、ちょっと大きな地震が起きました。そのときTwitterで、まさに緊縛中だったミストレスの方が切った縄の写真を公開されたのです。で、「これだ」と。
作中では二回出てきます。一度目は地震で。からの、二度目。
私にはそのときの感情を、想像するしかできません。ゆえに彼女の心情も詳しくは書きませんでした。どんな気持ちで縄を受けているか、縄をほどかれていくのか、それまでしっかり書いてきたつもりだったので、一緒に想像してくれたらいいなって、ちょっとだけ思いました。
たぶんこの作品を読んだであろう方が、「動脈を切られたようだ」と、「苦しくて先が読めない」とおっしゃってくださっていました。
あえて書かなかったことが、作家として正しい判断だったかはわかりません。でもこれをお見かけして、そうしてよかったと感じております。
・謝って、赦されたい
大人って、がんばらなきゃいけないこと多いですね。でも成人したからといって、中身まで自動的に大人になれるわけでもないのですよね。
謝ったら許される。これはある意味、子どもの特権です。悪いことをしたら叱ってもらえる。これもまた子どもの特権です。大人になると、叱ってすらもらえなくなります。
だから、とは申しません。だけどそれが赦されるなら、大人だって縋りたくなるのでは、と私は思うのです。
あ、私のマインドはほぼ二十二歳くらいで止まっている気がします。体は衰える一方なのに。
・奥様との対決
裏テーマは、女の意地のぶつかり合い。
「優しいあの人」は奥様のものですが、先生の痛みは「わたしの」という彼女たちの意地。以降、奥様は体調を悪くされます。
奥様は先生をどこかで赦せなかった人です。結衣子は先生を「ゆるしてあげない」と言いながら赦しちゃった人です。どっちもどっちですけど、そう言葉にした結衣子の強さを私は愛しく思います。
・陰ながら応援してくれる人多すぎ
ありがとうございます。いつも本当に支えられています。でも表立ってもいいんですよ……!
では、このへんでおいとまさせていただきます。
もしも「こんな話も聞きたいんだけど!」ってご意見がありましたら、Twitterや各種アンケートフォームでお教えいただければ拾いますので、どうぞお気軽にお申し出くださいませ!
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